地域のいい場のフィールドノート

地域のいい場のフィールドノート


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わたしと息子の、穏やかな時間が流れる「いい」と感じる要素•自然に任せた杜が、豊かな木々と澄んだ空気に包まれ、森林浴ができる•散策路がたくさんあり、鳥の音が必ず聴こえる•広い敷地の中に入ると、都心の一角であることを忘れさせてくれる。特に、芝生の広場は広さのわりに人が少なく、あまり気を遣わず、のんびりできる•ゆったり、いい時間を過ごしたい人が訪れる場所•車で行っても、必ず停められるどんな課題や困りが解消されたか•ルーティンをどうしても崩すことのできない37歳の息子は、施設から自宅に帰宅するときに必ずここに寄って過ごすことで、帰宅への切り替えができる•ここに限っては、息子と私(母)と二人だけで来る場所になっている。普段は行動障害があり、母親にも攻撃的な息子が、参道や林道を歩くときは、ニコニコ穏やかで、母に歩調を合わせたり、手をつないだりする•芝生では飲み物を飲んで、広い、人も少ない中で、気を遣わないでしばらくそこで休める。息子といい時間を過ごせることが、自分にとっても何よりもいい時間•年に一度の初詣では、不思議と人混みの中でも手足を出さずに並んで待てる24


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