東京都手をつなぐ育成会 60周年記念誌

育成会 60周年記念誌


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6働く青年の旅青年の旅についての思い元日通旅行株式会社団体営業部長松本淳いる方も多くいらっしゃいますが、450名ほどの皆様が一年間に何度かご参加いただいているという様子です。この旅行の殆どの皆様は支援者無しの単独参加です。多くの参加者が高齢化しており、想定されるトラブルは様々です。年末年始の人混みの中での迷子、旅館の大浴場での転倒、参加者同士のもめ事等、色々なことがあります。それらのトラブルに対処するのは当社スタッフであるという意識を常に持って、実施してきました。『青年の旅』に共通しているのは参加者の皆様は旅行会社に直接申し込み、参加しているということ、この辺りが施設や職場の旅行と違ったのだと思います。その分、参加者の皆様の行動は自由で、勝手気ままです。そこがこの旅のいいところの一つなのかもしれません。そんな中での私達の目指すものは、繰り返しになりますが、無事帰路についていただくこと、そして、参加して良かったと思って帰っていただくことです。コロナ禍が始まり、2年が過ぎました。旅行も実施できなくなっています。当社、日通旅行はこの禍の中で令和3年3月をもって、旅行事業を終了し、解散しました。長きにわたり、当社をご愛顧いただき本当にありがとうございました。誠に寂しい限りですが、旅を通じて、育成会の皆様と関われたことを誇りに、当社スタッフは新たなステージに進んでまいります。そして、また『青年の旅』が復活し、皆さんが集う機会がくることをお祈りしております。皆様お元気で、またお会いできる日まで。創立60周年誠におめでとうございます。私が育成会様に関わるようになったのは入社3年目、平成元年に実施された第2回青年の旅ハワイです。『青年の旅』とは会員様対象の募集旅行で、海外、国内旅行を年一回ずつ実施していました。当時の緒方理事長が『青年の旅』と名づけられたと聞いています。このハワイ旅行の参加者は148名様という大団体でした。当時の日本は海外旅行ブームということもありましたが、北海道や沖縄の国内旅行も400名を超えるような参加者数でした。おそらく皆様にとっても飛行機に乗って旅に出かけるということの始まりであったのだと思います。さてこの10年を振り返りますと、平成24年はクロアチアに行きました。私にとって、青年の旅海外旅行に添乗員として最後にご一緒した旅であり、青いアドリア海の美しさと共に思い出深い旅の一つです。この10年は春と秋に海外旅行と年2回ほどの国内旅行を実施してきました。最近の参加者数は毎回、30名前後でした。以前に比べて旅の機会は増えていますし、皆様にとって行きたい時に気軽に参加できる旅であることを目指して実施してまいりました。ただ、始まった頃と変わらない目標は、絶対に事故を起こさず、無事に帰路についていただくということでした。その為には常に最悪を想定し、スケジュールも行動も無理をしない、その中で最大限楽しんでいただくということです。この10年、一番参加者が多いのは主にグループホームの利用者さんを対象としたゴールデンウィーク、お盆、年末年始の旅行です。ありがたいことに、お正月旅行は予約争奪戦になる程です。毎回250名以上の皆様にご参加いただきました。調べますと、毎回参加されて090


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