東京都手をつなぐ育成会 60周年記念誌

育成会 60周年記念誌


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Message社会福祉法人東京都手をつなぐ育成会(以下、東京都育成会)が昨年、創立60年を迎えられましたことは、多くの会員と関係者の皆様のご支援の賜物と心から感謝申し上げます。本来であれば、記念式典・祝賀会を開催し、これからの障害者福祉や共生社会の実現に向けて、多くの皆様とお顔を合わせて語り合いたいところでございますが、新型コロナウイルス感染症の収束が見えない中、式典等の開催は見送り、代わって東京都育成会創立50周年以降10年間の活動や事業を関係者の皆様とともに振り返り、新たな未来につなぐことを考える「記念誌」を発行することにいたしました。この10年間は、国連の「障害者権利条約」の批准、そのための国内法の改正ならびに整備、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向け、ユニバーサル・デザインの普及、この他にも誰もがその人らしく暮らすことのできる「共生社会」の実現が謳われ、障害の医学モデルから社会モデルへの転換。このように障害そのものの考え方が変わるなど私たち東京都育成会にとっても大きな変革の時期でした。東京都育成会はこれまでに「全員就学運動」に取組み、卒業後の「日中活動」「親亡き後の暮らしの場」の確保を目途に、制度が確立される前にわが子たちに必要な資源を親自らがつくってきました。現在は、福祉サービスの仕組みもつくられ、親の会活動のあり方も会員の皆様のニーズも変わってきています。しかし、変わる部分がある一方、親の会活動の背景に変わらずにあるものは、「わが子たちのふつうの暮らし」の実現、つまり、ご本人の権利擁護に尽きます。平成29年の社会福祉法の改正後も、東京都育成会は、「親の会」や「本人部会」を公益事業として位置づけ、運動体と事業体が共にあり続けています。一昨年より、未来に向けた「ミッションをアクションで超えていこうプロジェクト」として、親の会理事と業務理事、職員等が共にワークショップを行い、様々な視点で未来の東京都育成会のあり方を考えているところです。障害のある人の意思を尊重し、障害のある人には何が必要なのか、何を求めているのかを今後も各地域の親の会と共に追求し、法人の統一ミッションである共生社会の実現に向け、さらに努力を重ねてまいります。引き続きご支援、ご協力をお願い申し上げ、東京都育成会創立60周年のご挨拶といたします。発刊によせて社会福祉法人東京都手をつなぐ育成会理事長東京都手をつなぐ親の会会長佐々木桃子


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