東京都手をつなぐ育成会 60周年記念誌

育成会 60周年記念誌


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東京都の施策・予算への要望対話集会・東京都知事ヒアリング・都議会各会派ヒアリング社会福祉法人東京都手をつなぐ育成会理事長東京都手をつなぐ親の会会長佐々木桃子東京都手をつなぐ育成会(親の会)の大きな活動(運動)の一つとして、わが子たちの教育や福祉、雇用の向上、医療等の制度や施策の充実を求める活動(運動)があります。昭和54年第19回定期大会の分科会として初めて行った福祉保健局、病院経営本部、教育庁、総務局、産業労働局等と翌年度における施策・予算に対する要望の声をあげることは「対話集会」と言う名の下、綿々と受け継がれてきました。この対話集会は、事前に提出した要望に対する東京都の回答をいただくだけではなく、わが子が一人の人として暮らしていくために必要な支援を求めて、各支部会員の皆様と東京都の職員の皆様と対話をしていく時間としています。なお、雇用分野では、厚生労働省東京労働局とも会見という形で国との予算交渉も行っています。また、都議会各会派とは、毎年、予算要望ヒアリングを行ない、都議会の先生方には要望の東京都への後押しをお願いしています。さらに平成28年より、次年度予算編成における各種団体等要望の「知事ヒアリング」が実施され、東京都育成会も、直接都知事にお話しする機会を得て、教育、福祉、雇用、医療について要望を申し上げてきました。平成18年の障害者自立支援法施行以来、法整備、制度は国が行い、障害福祉サービスの窓口は、区市町村になりました。東京は大都市だからこそ、地方と異なる課題を抱えており、事前に各支部にアンケートを実施し、会員の東京ならではの困り感や必要な事がらを吸い上げ、課題解決のための要望書を作成し提出しています。ここ2年は、新型コロナウイルス感染症対策の緊急要望も行ってきました。お蔭様で、全国に先駆け、「東京都在宅要介護者受入体制整備事業」の実施、都立公園駐車場における「ドライブスルーワクチン接種」など速やかに対応していただき、子どもも親も大変助かりました。また、教育分野では、ハード面、ソフト面で、特別支援教育の充実を求め、教育庁とは、対話集会だけではなく、懇談を重ねてきています。この10年、私たちが一貫して要望の基本に据えてきたことは、障害の有無に関わらず誰もがその人らしく主体性を持って暮らすことのできる共生社会の実現」です。そのことを踏まえて具体的な要望をお願いしてきました。特に、重点的にお願いしてきたのは、差別解消条例の普及啓発及びヘルプマークの更なる周知グループホームの家賃助成の増額理解啓発促進東京ならではの課題解消に向けて愛の手帳3度、4度の人の医療費助成高齢化に伴う医療費増額問題特別支援学校の環境整備児童生徒数に見合った普通教室の確保問題教員の資質・専門性の向上(ICT教育の充実、学校生生徒一人ひとりのニーズに応じた計画に基づく指導活支援シート・個別指導計画の有効活用等)東京都における知的障害者の雇用公的機関における雇用の実現強度行動障害支援者養成研修の拡大強度行動障害支援の深まりなどです。当然、叶ったものと叶わなかったものがありますが、私たち親の会は、必要なことは言い続けていく」というスタンスは変わらずに持ち続けています。かつて先人たちが成し得た大きな、目に見える成果はないかもしれませんが、社会情勢の変化に合わせ必要なことを絶やすことなく要望してまいりたいと考えています。東京都知事ヒアリングの様子039


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