東京都手をつなぐ育成会 60周年記念誌

育成会 60周年記念誌


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4事業今までの10年、これからの10年社会福祉法人東京都手をつなぐ育成会仁田坂和夫常務理事・事務局長令和4年3月。東日本大震災から11年が経過し、この2年は、新型コロナ感染症への対応が続いています。また、遠くウクライナで始まった戦争もなんとなく私たちの暮らしの中に緊張感を漂わせています。私たちの身近な暮らしの中でも様々なことが起こりますが、何気ない日常が続いていくことが幸せなのだとあらためて実感します。支援者という立場で考えた場合、何気ない日常とは、誰もが希望する生活を実現し継続することから生まれてくるものではないかと思います。現在、障害福祉計画は第6期となり、障害者総合支援法・児童福祉法の改正以降、成人分野では地域移行から地域生活支援拠点の設置へと展開し、重度化、高齢化への対応が大きな課題となると同時に一人暮らしへの支援もクローズアップされています。具体化する方法として、日中サービス支援型のグループホーム、自立生活援助、地域定着支援などのサービスが開始されてきました。児童分野で医療的ケアを含めて多様化するニーズへの対応が進められていますが、特に児童福祉法改正にともない児童入所施設からの移行が引き続き課題となっています。平成29年に開設した障害者支援施設「清瀬育成園ひだまりの里きよせ」は児童施設からの移行とそれを困難にしている強度行動障害者への支援方法の確立を目指すという点で法人の事業運営の大きな転換点となりました。重度利用者を地域で支えるグループホーム事業、また、緊急時には短期入所などで対応できる地域生活支援拠点事業ということでは、グループホームえにし(世田谷区)、niima(豊島区)、障害者支援施設「杉並育成園すだちの里すぎなみ」などが役割を担い始めています。就労支援に加えて、地域での一人暮らしを進めるということでは立川、大田、江東通勤寮などの連携型グループホームが新たな取り組みを開始しました。高齢化対応を含めて医療的ケアという点では令和4年から開設される練馬区立高野台福祉園や豊島区立目白生活実習所分室への期待が寄せられています。統一ミッション私たちは、すべての人一人ひとりの人権と意思を尊重し、障害のある人もない人も共に社会・経済・文化ほかあらゆる分野に参加する機会を得て、主体性を持ちながら豊かな市民生活を送ることができる社会の実現を目指します。ミッションを実現している理想的な状態業共生社会の実現社会資源の整備財安定した経営地域貢献できる財源確保070発信他統一ミッションと基本方針実現のための幅広い活動人人が集まる、育つ、学ぶ、働く組織連携相互に価値のある関係構築


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