東京都手をつなぐ育成会 60周年記念誌

育成会 60周年記念誌


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振り返ってみるとその時代背景に即した事業が整備されてきました。そして、法人は、これからも同様に役割を果たしていくことが求められています。さて、これからの10年をどのように展開していくか。最も大きな課題は、支える人材をいかに集め、共に成長していくことができるかという点にあります。平成24年の報酬改定以降、継続して処遇改善が実施されてきたことからもわかるように国も人材確保とその処遇に課題があることを認識しています。法人はミッションを掲げました。そしてそれを具現化できる活動を進めたいと考えています。これまで施設の整備や拡張など、時々に寄せられる課題に合わせて臨機応変に対応してきましたが、それを可能にしてきた源泉は、人材の確保に他なりません。しかし、少子化も原因の一つと思われますが、新卒職員の採用数はピーク時の30%ほどという厳しい現実もあります。地域のニーズが多様化する中で法人として何を実践するかについては、これまで以上に方針を共通理解して事業展開を行うことが必要です。令和2年度から理事、監事を中心として、法人のこれからを考えるワークショップの中で意見交換を行い、中長期のロードマップを作成しています。単に事業の拡張という視点ではなく、法人の理念でもある「社会への働きかけ」について具体的な考えを出し合う形でスタートしました。そして令和3年度は、「私たちらしい地域貢献を考える」というテーマでさらに積み上げています。small(小さく始めて)➡slow(中長期の計画をもって)➡sustainable(持続して事業を実施していく)時代の変化にしなやかに対応して、これからも求められる社会福祉法人として存在して参りたいと思います。業発信他●人々を幸せにする、誰もが住み良い社会をつくるというより大きな目的を追求し続ける。●福祉の仕事の意義や価値、魅力を伝え、理解してもらえる活動を行っている。●必要な人に必要なサービスを時代や社会の変化に合わせ、常にアップデートし提供している。その時、本人、親の会の声が十分に反映されている。●それを可能にする事業判断が適切に行われている。●事業を通じ、差別、虐待のない社会を追求している。●組織として、また、本人の行政、政治への参画が盛んに行われ、施策推進に寄与している。●福祉の仕事の意義や価値、魅力を伝える存在である。●教育・啓発活動を盛んに行い、その拠点を持っている。●親の会と事業体が一体となり、社会課題や制度改革に取り組めている。●発信、コミュニケーションに、時代にあった適切な方法を選択し、運用することができている。●その活動により、社会に広く知られる存在である。●都育成会の職員であることの意義、価値を認識し、法人への帰属意識、充実感が高い状態である。人●一人の生活者として、豊かな生活を営んでいる。●福祉の仕事の意義や価値、魅力を伝える存在である。●やりがい、誇り、魅力を感じ、楽しく働いている。●一人ひとりが互いに向き合い、大切にしあえている。●自ら課題をもち、主体的に行動できている。●スペシャリストとして学びと成長が続けられる。●ここで働きたいという人材がたくさん集まり、個人や社会が変化するなかでも長く働き続けられる。財連携●先見性のある経営視点をもち、手法や仕組みのアップデートをスムーズに行っている。●継続的に安定した事業運営を行い、緊急時への備えも担保されている。●事業の拡大、選択の判断が適切に行われている。●地域貢献に関する十分な予算を確保している。●人材を中心に、環境や体制の整備に対して、適正な投資が行われている。●時代性のある資金の獲得方法を持っている。●親の会の存在、スケールメリットを強みとする活動を展開している。●各地域の独自性を活かしながら、地域生活を支える広域組織、ネットワークを形成している。●地域のなかで多様な主体者が役割を認識、分担しながら連携することができている。その関係性構築を主導している。●ステークホルダーに対し、ひと、もの、こと、情報、空間等の提供、共有を行っている。●他県の育成会や他団体との連携も行われている。071


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