東京都手をつなぐ育成会 60周年記念誌

育成会 60周年記念誌


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2018年2月17日東京大会2018年2月17日東京大会の実行委員会の皆さん2019年2月8日第40回箱根一泊当時はどこの作業所でも小規模だからこその地域との密接な関係、きめ細かな対応があり、また「来る者を拒まず」の姿勢が地域の障害者福祉を支えていました。母親たちが手弁当で作業所を支え、必要な事業を自分たちの手で作り出しました。それは措置制度の不備を補うものでもあり、その実践は今で言う共生社会の最前線だったと思います。やがて2006(平成18)年、障害者自立支援法が施行され、私たちも望んでいたはずの改革の波は作業所の在り方を大きく揺さぶりました。徐々に「民営授産」の作業所は地域で法人化され、障害福祉サービス事業所へと大きく変化していったのです。この頃、東京都育成会は大きな変化の中にありました。今では遠い記憶となりましたが、東京都育成会から独立していく作業所を再結集するため、法人連絡会結成を呼びかけました。「民営授産」の連絡会はそこで終焉してもおかしくない状況でしたが、培ってきた強い絆もあり、試行錯誤の上2009(平成21)年4月の代表者会議で今の地域法人協議会が承認されて、先達の活躍を繋ぐ骨格ができました。その頃私は一番若僧の理事でしたが、山内理事長をはじめ、長く「民営授産」を支えてきた親理事の皆さんと多くの議論をさせていただきました。また当時の田中事務局長には新組織への牽引役をしていただき感謝に堪えません。ここ10年で地域法人協議会は実績を積み、結成当時と比べるとしっかりした組織になりました。現在の参加は34法人、そこで行われている事業は延べ200、総利用者は3,000人弱、係る職員総数は1,000人を超えていると思われます。今では親の会由来でない法人も参加しています。皆さんで連携することが大きな力となっています。2011(平成23)年の東日本大震災が発生、東京都育成会の被災地支援には小規模作業所応援団を組んで参加したことも思い出されますが、この10年のもっとも大きな取り組みとして残る記憶といえば、2018(平成30)年2月、全国事業所協議会の研修大会を地域法人協議会の力を総結集して幕張で行なったことです。1年を掛けた実行委員会の準備の下、地域法人の全力を挙げて研修大会(参加400人以上)を成功させることが出来ました。実行委員長として皆さんの団結力にどれ程感謝したことか語り尽くせません。また地域法人協議会の広報誌は、現在は「ぷらっとほーむ」としてこの10年で定着し、予定では来年2023年の正月号が100号となります。今は編集委員会で進められていますが、始まった頃を振り返るとこれも感無量です。他にも実践発表会が復活し、各種研修会、専門部会なども行われ、新型コロナウイルス感染拡大では「がんばろう!VSコロナ」の速報発行など活動の幅は大きく広がっています。地域法人協議会の歴史は14年ですが、それ以前の長い民営授産の歴史があります。その思いは「どこに住み、どこで働き、だれが支えるか」として引き継がれています。今後も、絶えず変化する時代の中で、共生社会の先頭に立つ地域法人協議会、東京都手をつなぐ育成会であってほしいと願っています。未来が待っています。087


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