東京都手をつなぐ育成会 60周年記念誌

育成会 60周年記念誌


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活動報告杉並区手をつなぐ育成会会長永田直子昭和37年に発足した当会は2022年度、創立60周年を迎えました。先輩からの変わらぬ思いを受け継ぎながら、その時々に必要なものを問い続けた10年間でした。活動の主軸はくらし部、高齢化部、ちいき部、教育部、研修部、就労部の6つの「部会」です。かつては「研究会」と呼んでいましたが、それぞれの課題に応じて誰でも参加しやすいものにし、時には講師も招いて学習会、懇談会、見学会などを実施しています。また「夏休み親子作業体験会」は、授産を運営していた頃から、済美養護学校や作業所のご協力により長年続いています。若いお母さんたちが代々担当を受け継ぎ、更には会の運営を支える頼もしい力になっています。コロナ禍での実施が難しい中でも各家庭で取り組めるようにと、作業体験キットの作製も試みました。一方で、38年間続いた手織りの「親子工芸教室」は高齢化とコロナ禍の中、2021年に惜しまれつつ幕を閉じました。本人たちが毎年楽しみにしている行事が「日帰りレクリエーション」と「地域クリスマス懇親会」です。本人、会員のみならず、地域の方とも触れ合う貴重な機会でもあります。実施が叶わなかったこの2年間は、せめて気持ちだけでもお届けしたいと手作りのクリスマスカードを作成し、会員や地域関係者に送りました。キャラバン隊は権利擁護の学習から始まり、立ち上がるまでに何年もかかりました。2017年に練馬親の会と「ねりっこ・すぎっこ」を共催したのをきっかけに、「いこる」として、児童館や職員などを中心に理解啓発活動を進めています。更にこのような状況下で情報発信が課題となり、現在、ホームページの立ち上げも準備委員会を設けて進めているところです。ゆっくり、じっくり、ていねいに」というのが杉並スタイルのようです。活動報告北区手をつなぐ親愛の会当会は、北区の育成会支部として、特別支援教育や福祉的支援を必要とする児者の保護者たちを会員とする親の会としての活動を目指しています。しかしながら、これまでの10年を振り返ると、必ずしも十分な活動ができていませんでした。例えば、そもそも入会を望む区民のための窓口が機能していなかったり、当会の存在を社会に紹介するWEBページが開設されていなかったり、新しい会員を受け入れるための基礎的なアクセシビリティを欠いている状態にあったと言わざるを得ませんでした。このため、会員や役員の高齢化が進み、当会が、現在どのような課題を抱えているのかを把握することもできず、現役世代との認識ギャップが会の閉鎖性と高齢化に拍車をかけるというスパイラルに陥り、また、育成会から提供される有益な情報を、既存の会員に仲介・提供することもできず、当会は実質的には休眠状態にあったというのが正直なところでした。令和2年、会長の交代を機に、先ずは、当会を取り巻く現状を直視するところから努力を始めました。社会環境の変化を認識し、それに伴って明らかになってくる当会の課題を認識し、あるいは、そうした課題認識を避けようとする志向性を改め、役員体制も刷新しました。また、区からの補助金交付団体に相応しい組織ガバナンスと、公益・共益を目指す役員の自覚の醸成などにも努めました。こうした取組が少しずつ成果を上げ、今では、学齢期の子どもを持つ保護者の入会が進み、ささやかながら活気が戻ってきています。今後は、所在する北区にも育成会にも多分の叱咤激励を頂く必要があるかもしれませんが、ひいては、当会が保護者やその子どもたちを支え、育成会を支え、社会にも貢献し、そしていずれは私たちの子どもたちが堂々と社会に包摂されて幸せになることのできる基盤を支えることを目指して参ります。手作りクリスマスカードキャラバン隊「いこる」夏休み親子作業体験会会長大岩和美025


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