東京都手をつなぐ育成会 60周年記念誌

育成会 60周年記念誌


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4事業未来につなげるそれぞれの施設の取り組み障害者支援施設での地域生活をより豊かに!清瀬育成園ひだまりの里きよせ施設長齋藤靖之清瀬育成園ひだまりの里きよせは平成29年5月に開設しました。60名の入所者の多くは自閉症の方で、強い行動上の特性を有する方が生活されています。また、就労継続支援B型は特別支援学校の卒業生を中心に10名がカフェ、パン工房、レタスの水耕栽培等を行っています。カフェは近隣の方の憩いの場として親しまれ、2種類の水耕レタスも好評を得ています。「ひだまりの里」という名前には清瀬という地域の中で、利用者一人ひとりをあたたかく包み込む「ひだまりのような場所」でありたいという想いが込められています。それぞれ異なった個性の利用者さんが安心して暮らしていくために、一人ひとりが、喜びや楽しさを見つけ達成感や自信を育めるように、様々な活動の中で自立できる場面、活躍できる環境を提供してきました。また、ひだまりに暮らす一人ひとりに「地域に5人の顔見知り」がいる、そんなつながりのあり方を目指しマルシェの開催や近隣農家の野菜直売市、アート活動をはじめ地域とのつながりを大切に支援を続けてきました。就労継続支援B型もカフェや水耕レタスを通じて地域の方とひだまりとの懸け橋となり、利用者さんもその役割を生き生きと担っています。そうした取り組みを経て、令和3年度に1名の入所利用者がひだまりとして初の地域移行を果たされました。これからも、障害があってもなくてもみんな豊かに暮らしていきたい、そんな一人ひとりの「あたりまえ」を大切に、地域の中で豊かに暮らしていくための支援を続けていきます。一方でひだまりを必要として入所を待っている方が多数いらっしゃいます。そうした方々のニーズに応え、ひだまりを経て地域で暮らしていける力を身に着けてもらい、またひだまりを必要としている方に利用していただく、こうした「循環」こそがひだまりの里きよせの地域の中における大きな役割・責任の一つであると考えています。これからもひだまりの里きよせは、地域の中で多くの人に支えられながら、障害のある人もない人にとっても「ひだまりのような場所」でありたいと思います。施設外観マルシェ(お祭り)080カフェサンハウス(喫茶)野菜直売市


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